|2日目
宿で朝食をいただいてから出掛けます.朝食会場はロビー横のスペースですが,寝起きにすぐに食事にありつけるのは有難いです.
|87マーマイの家
さて,最初に向かったのは宿から徒歩圏内の旧家保存館 87マーマイの家(87 Ma May)です.19世紀ベトナムの木造家屋を修復保存している建物です.間口は狭く奥行きがあるという京都の町屋を思わせる構造をしており,真ん中には採光用の中庭があります.
当時の調度品から中華の影響を感じることができます.長時間滞在する場所ではないですが,旧市街地内にありますのでちょっとした時間に立ち寄られてはいかがでしょうか.なお,入館料10,000 VND(約¥50)が必要です.
|ホーチミン廟
次に向かったのはホーチミン廟(Ho Chi Minh Mausoleum).エンバーミング(embalming)処置を施されたベトナム建国の父 ホーチミン氏の遺体が安置されています.旧市街地からは少し離れているので配車アプリGrabを利用して向かいましたが,この時一生忘れることはないであろう状況に遭遇します.
Grabはベトナムで初めて使用しました.2018年にUberの東南アジア事業をGrabが買収したので,東南アジアで配車アプリと言えばGrabとなります.使用方法は簡単で多くの方が紹介されていますので省略しますが,ご使用予定の方は日本出発前にアプリをインストールして初期設定をしておくことをお勧めします.SMS認証が必要なため,確実に受信できる環境で設定するためです.
さて,Grabでバイクタクシーを呼びます.旧市街地内には多くの待機しているバイクがいるのですぐに見つかりました.ドライバーが決まると顔写真や車種等が表示されますが,ヘルメットを被っているドライバーの顔は分かりにくく,車種もほぼ全てHonda車なのでぱっと見で判断できません.
そこで私は,それらしきバイクが近づいてきたらナンバーの4桁を確認して乗車するようにしています.アプリの画面を見せて確認してくるドライバーもいますので,間違いなければYesと答えましょう.
|忘れられぬ出来事
ホーチミン廟へと向かった時のドライバーは50歳ぐらいのおっちゃんでしたが,この人と一生記憶に残るであろう出来事を経験します.結構飛ばし気味のドライバーではあったのですが,とある交差点でタクシーと進路をめぐってもめ出しました.ひいき目に見ても,こちらが譲るべき状況でしたが,おっちゃんは譲らずタクシーのドライバーを指さして怒鳴り付けました.
タクシードライバーは私と同じか少し若いぐらい(30-40代)で,暫くは車の中から早く移動するように促していましたが,こちら側がいつまでも文句を言い続けているので痺れを切らして車から降りてきました.その時です,タクシードライバーが車を降りる時に一瞬屈んだかと思うと,手に鉄パイプを持っていました!
ほら言わんこっちゃない,さっさと移動しておけば良いものをと思っても後の祭り,どんどんこちらに近づいてきます.揉め事の直接の相手が自分ではないのですが,(Grabの簡単なものとはいえ)ヘルメットで頭部を守っていること,いきなり鉄パイプで殴りかかっては来ないだろうとの思いから,比較的冷静に状況を見守っていました.
タクシードライバーは鉄パイプをおっちゃんの首元に押し付けて何やら怒鳴っています.ベトナム語なので私には分かりませんが,分かったとしてもここでは記載できないような単語が並んでいるのかと思います.我々が着用しているヘルメットはお椀型メットのため顔は外に出ています.タクシードライバーはおっちゃんの頬にビンタも食らわしてきます.
早く謝ってこの場を離れるべきですが,おっちゃんはひるまずに応戦します.ついにはバイクを降りようとまでしました.えっ,このバイク俺が預かっとくんすか?まぁ,大型の免許も持っているので大丈夫やけど・・・という状況の中,救世主が現れました.たまたま通りかかったバイクの若者が「お前ら止めとけや!」的なことを言って仲裁に入ってくれました.
2人とも若者に諫められて少しは冷静さを取り戻したようで,ぶつぶつ言いながらも終了しました.タクシーにもお客が乗っていたようですが,そんなことはお構いなしの出来事でした.そして,おっちゃんは何事もなかったかのようにバイクを走らせはじめました.そして程なくしてホーチミン廟近くに到着して下車しました.
注:この記事にてベトナムが危険だとか言うつもりはありません.ただ,私の経験談をもって外国では想定外のことが起こり得るということを伝えるものです.この記事を読まれたベトナム好きの方や日本語を解するベトナムの方が不快に思われることがあれば,それは私の文章力の問題であり悪意はありませんのでご理解ください.個人的にはベトナムにとても興味を持っており,7月にもホーチミンを訪れてます.
|ホーチミン廟
目的のホーチミン廟にやってきました.ここは午前中しか入ることができません.また,月曜日と金曜日は休館,さらに年に2ヶ月程度のメンテナンス期間も休館となるので,予めご確認ください.入場は無料です.さて,敷地外を囲むように並んでいる行列を見て一瞬,諦めようかとも思いますが,思ったよりも列の進みは早いので頑張って並びましょう.下の写真では分かりにくいですが,建物の下から左側に人の列が続いていますが,見学を待つ人の列です.手前右側の広場にいる人たちは見学を終えた人達です.
ホーチミン廟に入るには厳しいチェックがあります.まず敷地内への入り口でセキュリティチェック受けます.カメラや大きなバッグなどは預ける必要があります.私は小さなバッグを持っていましたが,それは預ける必要はありませんでした.また,タンクトップやショートパンツのような肌の露出が大きい服装でも入ることができませんのでご注意ください.
敷地内に入ってからも長い列が続きます.合わせて1時間程度は並んだでしょうか.私の前に並んでいた欧米人のガイドをしていたベトナム人によると,テトのこの時期だと並んでいる人のうち7割はベトナム国内からの旅行客とのことでした.
ようやく建物内に入ります.建物内はひんやりとしており,立ち止まりや私語,写真撮影は厳禁です.安置されているホーチミン氏は穏やかでふっくらとした顔をされていました.両サイドには4人の兵士が警護しています.立ち止まることはできないので,あっという間に見学は終了し建物の外に出てきます.
ホーチミン廟に隣接して,氏がなくなるまでの11年間を過ごした場所であるホーチミンの家(Ho Chi Minh House)があります.実際に住んでいた2階建ての建物も残されており,訪れた者はその質素な造りから氏の人柄を知ることができます.敷地内には旧ソ連から贈られた車も展示されており,写真右はプジョーです(エンブレムが現在とほぼ同じ).なお,この家の入場には25,000VND(約¥130円)必要です.
長くなりましたので,2日目の続きは後半(ハノイ,Hanoi, 河內③)にて.
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