|2日目
今日は日帰りで蘇州(苏州,Suzhou)へと向かいます.蘇州は上海から西へ100 km程度の距離にに位置し,高速鉄道(高鉄・高铁)を利用すると乗車時間は約30分です.高鉄に乗車するのは上海駅(上海火车站)あるいは上海虹橋駅(上海虹桥站)となります.
上海駅は地下鉄の1・3・4号線が乗り入れており,今回の宿からも近いです.上海虹橋駅は地下鉄2・10号線が乗り入れており,10号線の隣の駅は上海虹橋空港駅です.日本からだと羽田空港発の便で虹橋空港行きがあり,高鉄への乗り換えは非常に便利です.
|高鉄
今回は上海駅から蘇州を目指します.地下鉄1号線で人民広場から3駅北上すると上海駅です.
到着すると高鉄の駅舎に向かいたくなりますが,チケット売り場(售票处)は駅舎の中にはありません.駅の南広場の東側にあるので,售票处(Ticket office)と書かれた案内に従って地下道を通って向かうのが良いと思います.
售票处の窓口で当天(当日発)か售三天内(3日以内発)のいずれかに並びます.順番が来たら,「到苏州(dao Suzhou)」と言いながらパスポートを提示すれば,他に何も言わずとも直近(1時間後ぐらい)のチケットを発券してくれます.料金は2等席で600-700円でしょうか.支払いに日本のカードは使用できません.
上海−蘇州間のような近距離で本数の多い列車の場合,繁忙期でなければ乗れないことはないですが,多少の手数料が掛かるもののTrip.comで予約することもできます.この場合は日本のカードでも支払い可能です.
なお,2020年からは乗車券が完全Eチケット化されています.これまでも中国国民であれば身分証での乗車が可能でしたが,外国人もパスポートによる乗車が可能になったようです.紙の乗車券が発行されない以外はこれまで同様で,オンラインでの予約の他,駅のチケット売り場でも購入可能です.
詳細は以下のサイトで解説されていますので,ご参考ください.
https://kaeritai.asia/archives/879
乗車券を入手したら駅舎へと向かいます.駅の構内に入るには乗車券とパスポートの提示が必要です.また,入ったところで荷物のセキュリティ・チェックがありますので荷物を通します.乗車券に待合室(候车室)の番号が書かれているので,その番号の待合室へと向かいます.
ホームに降りるためのゲートは5−10分前に開きますので,暫く待機します.ゲートが開いたら乗車券を入れて通過しホームへと向かいます.乗車券に車両と座席の番号も書かれているので自分の席を目指します.乗車してしまえば30分程度で蘇州駅に(苏州火车站)到着です.
|蘇州駅にて
蘇州に到着して地下鉄に乗り換える時に珍しい体験をしました.今では携帯等で乗車するのが普通になっていますが,この時はまだ券売機で乗車券(トークン)を購入する人も多くいました.私も券売機に並んでいると,私の前の若者(20代・男)が自分の番になると急に私の方に振り返りました.
ええっ?と思っていると,その若者は私に対して「你要去哪里?你先*****(自分どこに行くん?自分先に******)」と言ってきました.後半は聞き取れす,自分とは関西における二人称(あなた)の意です.
若者の手には高鉄の乗車券が握られていました.私はとっさに彼はどこか田舎から出てきて,地下鉄の乗車経験がなく,乗車券の購入方法が分からないのだと理解しました.私が先に券売機で購入するのと彼はずっと見ていました.蘇州の地下鉄に乗車するのは私も初めてなんですけどね.
今度は私が彼に「你要去哪里?」と尋ねると,彼は携帯の画面を見せてきました.We chat(微信)で友人とやり取りしている中に目的の駅名が表示されていました.私もそれが何号線のどこにあるのか知らないので,一緒に探して無事に購入することが出来ました.
|山塘街
蘇州は水郷の町として有名で,東洋のベニスとも呼ばれる都市です.日系企業も多く進出していることから地名を知っている方も多かと思います.まずはその水郷を利用した観光地として有名な山塘街に向かいました.
山塘街への行き方は簡単です.今回は上海駅から高鉄に乗車しましたので,到着したのは蘇州の中心部に位置する蘇州駅です.そこから地下鉄2号線に乗車し,1駅南下すると山塘街駅(山塘街站)です.3号出口を出て大きな通りを左手(南西)に進むとすぐに川が見えてきます.
流石に有名な観光地であるので多くの人で賑わっていました.白壁に黒い屋根瓦の建物が良い雰囲気を出しています.
暫く散策して天気もよく暑かったので,川のそばでビールを頂きながら食事をしました.ビールが余り冷えていないのは仕方ない.
付近を散策していると臭豆腐を売っているお店を見つけました.日本国内でもあらゆる中華を食べることが出来ますが,臭豆腐を扱っているお店は非常に少なく,私は日本で食べたことがありません.早速頂いたところ久しぶりの臭さと美味しさでしたが,臭さは控えめな臭豆腐でした.
|留園(留园)
次に向かったのは,中国四大庭園の1つである留園(留园)です.蘇州にはもう1つ四大庭園である拙政園(拙政园)がありますが,今回は留園を訪れました.地下鉄2号線の石路駅(石路站)の1号出口を出て,广济路を北上し留园路を西に進むと到着します.10分程度(約1 km)の距離です.山塘街から徒歩で向かうこともできます.
創建は明代の1593年で,1997年には世界遺産にも登録されています.入場料はオンシーズン(4月から10月頃)は55元,オフシーズン(11月から3月頃)は45元です.比較的こじんまりとしていますので1時間程度で見て回ることができます.
池も小ぶりですが,その分繊細さを感じるため日本人向きかも知れません.
太湖石と呼ばれる複雑な形状の石が多く使われているところが日本の庭園とは大きく異なります.この太湖石はその名の通り蘇州西部の太湖周辺の丘陵から切り出される石です.
こちらは冠雲峰と呼ばれる庭園内で最も大きな太湖石で,高さ6.5 mもあります.この冠雲峰を中心として庭園が造られているようです.
冠雲峰の横には別の大きな太湖石があり瑞雲峰と呼ばれており,高さは4.5 mです.もう1つ大きな太湖石(岫雲峰)があるのですが,写真に残していませんでした...
庭園内には盆栽エリアもあり,多くの盆栽が展示されています.私のように盆栽に詳しくなくとも,その芸術性には心落ち着くものがあります.
盆栽エリアを見学していると,大学生のアルバイトと思われる若者がホースで勢いよく盆栽に水をやっていました.盆栽の土が飛び散る程でしたが,若者がこの盆栽たちの価値(値段)を知ったら驚くことでしょう.
少し早いですが,行きたい所があったので上海に戻ることにします.今朝到着した蘇州駅に向かったのですが,生憎上海に向かう列車の空きが数時間先までありませんでした.それはまずいので,もう1つの高鉄の駅である蘇州北駅に向かったところ,無事に上海行きの列車に乗ることができました.
|佳家湯包(佳家汤包)
上海に戻って行きたかった場所の1つが小籠包屋さんの佳家湯包(佳家汤包)私が行ったのは宿からも近い黄河路店で,地下鉄の人民広場から北西に徒歩圏内にあります.
地元民に愛されるお店のようで,行列ができていることも多いようです.私が行ったのは18時過ぎでしたが,少し並びました.長居するお店ではないので,回転が早ため行列の見た目ほどには待たずに入れると思います.
1皿12個入りです.写真では1個分の空きがありますが,ここには小皿が入ってきました.シンプルな豚肉(纯鲜肉)18元や,豚肉と蟹(蟹粉鲜肉)35元が人気のようです.
|田子坊
お腹を満たした後に向かったのは田子坊と呼ばれるエリア.小さな路地の中に色々なレストランやショップがあります.もともとはフランス租界であった場所で,古い建物が並ぶ住宅街にお店ができるようになり,2000年以降に観光スポットとして注目されるようになりました.
田子坊へは地下鉄9号線の打浦橋駅(打浦桥站)の1号出口を出て右に少し行ったところに入り口(里成天)があります.さらに進むとメインの入り口(田子坊)があります.少し歩いて見た後に1軒のお店で行き交う人々を眺めながらビールを頂きました.
今日はこれにて宿に戻りました.
3日目に続く
|3日目
今日の夕方には日本に戻りますので近場を回ります.ゆっくり起きて宿をチェックアウトした後に向かったのは魯迅公園(鲁迅公园).元々は虹口公園と呼ばれていた公園でしたが,有名な文学者である魯迅にゆかりの深い地であることから現在の名前に改められました.
|魯迅公園(鲁迅公园)
地下鉄の最寄り駅は3号線あるいは8号線の虹口足球場駅(虹口足球场站)の1号出口を出て四川北路を南東に少し歩くと正門に着きます.地下街にあったパン屋さんで朝食を買いました.
市民の憩いの場となっている公園なので,小雨が降る中でも散歩する人を見掛けました.公園に入ってすぐのところに,世界の文豪の銅像が並べれていました.
魯迅の座像は公園の中心にあります.
|東方明珠電視塔(东方明珠广播电视塔)
最後に上海のシンボルの1つである東方明珠電視塔を間近で見てきました.今回は見てきただけで上りはしませんでした.高い所が得意ではないというのもありますが,生憎の天気であまり見渡せそうにありませんでした.その名の通り1995年に完成したテレビ塔で高さ468 mです.
近くのお店で牛肉麵を食べた後,空港に移動しました.セキュリティ・チェックと出国審査を済ませてゲートに向かいます.定刻よりやや遅れて上海を出発し,関空にも遅れて到着しました.電車を乗り継いで終電近くで何とか帰り着きました.
今回の旅は以上です.
最後までお読みいただきありがとうございました.
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